診療科・部門

小児科

概要

赤ちゃんから中学生までのこどもの身体に生じた色んな問題・病気に対応するこどもの内科です。こどもの病気は急に起こってきた病気(急性疾患)と定期的なフォローアップを要する病気(慢性疾患)にわけられます。午前中は主に急性疾患の診療、午後は主に慢性疾患の診療、健診・予防接種を行っています。

午前診について

急性疾患はたくさんの種類にわけられますが、今回は感染症について説明します。

● こどもに多い感染症

こどもは生後半年頃から高い熱を出すようになります。熱が下がった後に全身に発疹がでれば突発性発疹の可能性があります。痛みを伴うほっぺたの腫れはムンプス(おたふくかぜ)、全身に水をもったかゆいブツブツが広がると水ぼうそうでしょう。高熱と特徴的な赤い発疹がでれば麻疹、または風疹の可能性があります。これらは人から人へうつりやすい病気です。しかし、多くはワクチンで予防できます。

ハナミズだけのかぜ症候群はあたたかくしておうちで大人しくしているのが大切です。しかし、なかなか治らなかったり、ひどくなる場合も少なくありません。咳、痰などがひどい気管支炎、それに加えてゼイゼイと息が苦しそうな喘息性気管支炎も多い病気です。胸の中で空気を出し入れする肺にウイルスや細菌が感染して、呼吸が苦しくなる肺炎は入院してしっかり治さないといけない場合が多いです。のどが赤くなって痛い場合は咽頭炎になっている恐れがあり、ヨウレン菌感染の可能性があります。外来で簡単に検査ができ、診断がつけばお薬がよく効くことが多いです。RSウイルス感染(急性細気管支炎)はこどもに多く、時々入院するほどひどくなる病気です。また、保育所など大勢で過ごす機会が増えたこどもさんなどでたまに中耳炎が見つかったり、花粉のとぶ季節、プールに入る季節では結膜炎もよくみられます。

とびひ(伝染性膿痂疹)やカンジダ皮膚炎などの皮膚感染症は、きちんと皮膚をみないとわかりません。ちょっとめんどくさいかもしれませんが、診察室では必ずはだかになって見せてくださいね。

嘔気、嘔吐、下痢などの症状を示す急性胃腸炎は、軽いものから重いものまで多くの種類があります。検査をすることによって、ウイルスや細菌の種類まではっきりと原因がわかることがあります。

発熱、背部痛、排尿時痛、尿の濁りなどの尿路感染症は、尿の検査をしないと診断がつきません。「おしっこの検査」は簡単ですが、当にたくさんのことがわかるとても大切な検査です。

どんな原因であっても、病状に応じて、入院にて検査や治療が必要になることがあります。その場合は保護者の方と相談の上、入院治療を進めさせていただきます。

市立柏原病院小児科は大学病院など特定機能病院や他の小児専門のセンター病院と連携しながら、できるだけ種々の疾患に対応できるように心がけます。

安心してかかれる小児科のために保護者の方へのお願い

当院小児科を受診する際に、こどもさんの身体に発疹がでていたり、ほっぺたが腫れている場合は、水ぼうそうやおたふくかぜの可能性がありますので、受付で一声かけてください。他のこどもさんへの感染を防ぐために、少し離れたところでお待ちいただき、場合によっては感染症室での診察になります。
また、風邪やインフルエンザが流行する季節、咳やくしゃみがひどい場合はマスクの着用をお願いしています。下痢、嘔吐がひどい場合も同様に感染の可能性がありますので、おむつや吐物の処理には注意を要しますので、わからないことがありましたらスタッフに質問してください。

小児科の受診が適当でない場合

やけどや打撲、骨折など外傷の場合は外科・整形外科の受診となります。
また、「頭を打った」あるいは「頭を打ったかもしれない」という場合も脳神経外科(当院には設置しておりません)の受診となりますのでご了解ください。
処置が必要な中耳炎や、結膜炎などは耳鼻咽喉科や眼科の受診が相応しいと思われます。しかし、眼や耳の症状でもよくわからないときは、小児科から院内あるいは院外紹介いたしますので、小児科を受診してください。

午後診について

専門外来とは、どんな病気を診ているの?

こどもの場合は「小児科」として一つにまとまっていますが、成人では消化器科、循環器科、神経内科、内分泌・糖尿病科など細かく科が分かれてきています。実はこどもも同じように病気によって小児の専門が分かれていますので、それぞれの領域にふさわしい医師が専門外来を担当しています。

  • 1
    神経外来(大阪公立大学小児科・瀬戸Dr. 毎週月曜日午後 予約制)

けいれん発作を起こす病気、熱性けいれんやてんかん、頭痛など小児の頭、特に脳や手足の神経に関する問題・病気について診断、治療、フォローアップをします。

  • 2
    内分泌外来(百瀬Dr. 毎週月曜日午後 予約制)

周りのこどもと比べて背が低い、あるいは急におっぱいが目立ってきたなど、ホルモンが関係する病気が疑われた場合に診断と治療を行う外来です。夜尿症(おねしょ)も内分泌外来でフォローします。

  • 3
    アレルギー外来(百瀬Dr. 毎月第1、3、5木曜日 午後 予約制)

気管支喘息やアトピー性皮膚炎などアレルギー疾患のフォローアップを行っています。

  • 4
    心臓外来(PL病院小児科・若原Dr. 毎月第4木曜日午後)

川崎病のフォローアップや、心雑音など心臓に関する問題を診断、治療いたします。

予防接種(ワクチン)と乳児健診

毎週水曜日と金曜日の午後には予防接種(ワクチン)外来を行なっています。
予防接種(ワクチン)には、こどもたちを様々な感染症から守るということとワクチンの対象となる感染症そのものをこの世から無くしてしまうという公衆衛生学的な目標という2つの大切な役割があります。
お父様やお母様にはその様な予防接種の目的や長所、短所(副反応の可能性)について十分に理解していただき、お子さまへのワクチン接種を考慮してもらえればと思います
(当科での予防接種に際しては、医師から十分に説明を受け、保護者の承諾を得てからワクチンを受けていただいています)
また、毎週火曜日午後には満1歳未満の乳児における健康診断を行なっています。特に病院にかかるような病気にならなくても、こどもさんがすくすくと育っていくなかで、成長(からだの大きさ)や発達(表情、からだの動き、こどば)など健康に関して気になることがあれば、この機会にご相談ください。
乳児健診に該当される方は予約をとって、ぜひいらしてください。

小児心理発達検査

毎週水曜日の午後には臨床心理士による小児心理発達検査・カウンセリングを行っ ています。
医師の診療上、言葉や運動・発達の遅れ、あるいは多動・不注意の傾向が認められた場合は、臨床心理士が検査を行い 発達の程度を評価し、診断の一助とします。また、不登校や原因不明の腹痛などを繰り返す場合も、まずは何か身体的(器質的)な 病気がないかどうかを調べますが、必要に応じて医師の指示で心理的な評価やカウンセリングなども行うことができます。
心理発達に関して、質問あるいは検査など希望される場合は、午前診で医師にご相談ください。

以上、こどもの健康に関することで気になることや不安なことがあれば、一度ご相談ください。

小児科医師紹介

補職名等 医師名 学会認定等
副部長 冨田 和慶 医学博士
日本小児科学会 小児科専門医
日本小児科学会 認定小児科指導医
副部長 百瀬 有里 日本小児科学会 小児科専門医
医員 白木原 悠人
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